企業経営理論⑤応用編_組織構造21問〜25問

問21:組織における「分権化」と「集権化」の最適バランスを決定する際に、「情報処理能力」の観点から考えるべきことは何か。

  • A:組織の階層を増やすことで、情報がトップに届く時間を意図的に遅延させること
  • B:意思決定に必要な情報が、現場に豊富にあるのか、それともトップに集約されているのかを見極めること
  • C:全ての情報を誰にも見せないように管理すること
  • D:情報処理能力を上げるために、最新のPCを購入し続けること
  • E:調整コストをゼロにするために、全ての意思決定を禁止すること
【第21問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:情報伝達の遅延は組織の硬直化を招くため不適切。
・B:現場でしか分からない情報(顧客動向等)が多いなら現場への分権化が有利であり、経営資源等の全社情報が必要なら集権化が有利という「情報の所在と判断の整合性」を考えることが本質であるため正解。
・C:情報の遮断は意思決定を不可能にするため不適切。
・D:IT環境は手段であり、組織設計の論理的根拠ではないため不適切。
・E:意思決定の禁止は組織運営の放棄であるため不適切。


問22:「事業部制組織」が直面しやすい「セクショナリズム」の弊害に対し、本社が講じるべき組織的対策として適切なものはどれか。

  • A:全事業部を一度解散させ、職能別組織に作り替えること
  • B:事業部間での人事交流の促進や、横断的なプロジェクトチームの編成を義務付けること
  • C:特定の事業部だけを優遇し、他を冷遇することで競争を促すこと
  • D:事業部間のコミュニケーションを物理的に完全に遮断すること
  • E:事業部の予算を全てゼロにすること
【第22問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:組織形態の全否定であり、現実的な対策ではないため不適切。
・B:壁を取り払うには、人材を循環させて視点を広げたり、共同でプロジェクトを行うことで相互理解と連携を深める仕組みが必要であり正解。
・C:偏った扱いは組織の士気低下や対立を招くため不適切。
・D:遮断は対立を助長し、全体最適を阻害するため不適切。
・E:予算ゼロでは事業継続が不可能なため不適切。


問23:組織構造の「硬直性」を測る指標として、最も考えにくいものはどれか。

  • A:意思決定にかかる承認プロセスの数や所要時間
  • B:組織の階層の深さ(トール型かフラット型か)
  • C:市場環境の変化に対する製品発売のタイムラグ
  • D:オフィス内での従業員の個人の自由時間の長さ
  • E:ルールの改訂頻度や、過去の慣習への依存度
【第23問:正解と解説】

正解:D
【解説】
・A:プロセスが多すぎると硬直性の指標となるため不適切。
・B:階層が深すぎると意思決定が遅れ、硬直性を高める指標となるため不適切。
・C:変化への反応速度は硬直性を測る指標として適切であるため不適切。
・D:個人の自由時間は従業員の働き方の範疇であり、組織構造の「硬直性」を測る指標としては最も関連が薄いため正解。
・E:慣習への依存は硬直性の現れであるため不適切。


問24:「事業部制組織」において、各事業部が共有する「共通機能」を本社に集約する(シェアードサービス)最大の経済的メリットは何か。

  • A:各事業部から管理職を追放できるから
  • B:重複する業務を統合し、スケールメリットを活かして効率化・コスト削減ができるから
  • C:本社が全ての事業部を支配できるから
  • D:全事業部の売上を同じ数値に揃えられるから
  • E:会議の回数を無限に減らせるから
【第24問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:効率化は目的だが、管理職の追放は組織機能の停止につながるため不適切。
・B:経理や人事などの共通機能を各事業部でバラバラに行うのではなく、本社へ集約することで、専門知識の活用やコスト低減といった規模の経済が働くため正解。
・C:支配が目的ではなく、効率的運営が目的であるため不適切。
・D:売上の数値操作は不適切。
・E:効率化はするが、ゼロにするのは目的ではないため不適切。


問25:組織構造を決定する際、なぜ「技術(Technology)」が重要な要素となるのか。

  • A:技術が高度であるほど、社長の権限が強まるから
  • B:製造技術がルーチン化しているか、あるいは非定型で高度な専門性が必要かによって、適した分業・調整の仕組みが変わるから
  • C:オフィスの面積が技術によって決定されるから
  • D:技術に関係なく、組織構造は常に同じであるべきだから
  • E:技術の知識が全くない人でも、組織を設計できるから
【第25問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:権限の強弱は戦略や文化に依存するため不適切。
・B:技術が定型的ならプロセス標準化が有効だが、技術が複雑・非定型なら現場判断や相互調整が不可欠になるという、技術の性格が構造を決めるため正解。
・C:物理的面積は技術の性格と組織構造の直接的関係ではないため不適切。
・D:状況適応理論(コンティンジェンシー理論)の観点から、構造は状況に合わせるべきであるため不適切。
・E:設計には専門知識が必要であり、この選択肢は設計の根拠として論理的ではないため不適切。


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