企業経営理論⑤応用編_組織構造16問〜20問

問16:組織設計における「直接監督(Direct Supervision)」による調整メカニズムが、規模の拡大に伴い限界を迎える理由として適切なものはどれか。

  • A:部下の数が管理者の許容範囲(管理限界)を超え、物理的・時間的に監督が不可能になるから
  • B:直接監督を続けると、組織のロゴが古臭く見えるようになるから
  • C:従業員の給与が突然減ってしまうから
  • D:オフィス内での会話が法律で禁止されるから
  • E:直接監督は組織の効率を最大化する唯一の方法だから
【第16問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:組織が拡大すると部下の数が増加し、管理職一人で全員を直接見て指示を出すことには物理的・時間的な限界があるため、他の調整メカニズムへの移行が必要となり正解。
・B:ロゴと監督機能は無関係であるため不適切。
・C:給与水準と監督手法の限界には因果関係がないため不適切。
・D:会話の制限は監督の限界の理由ではないため不適切。
・E:直接監督は単純な組織には有効だが、拡大した組織では効率が悪化するため唯一の方法ではないため不適切。


問17:「事業部制組織」における「内部振替価格(Transfer Pricing)」の設定が経営上重要な理由として、最も適切なものはどれか。

  • A:本社が各事業部の売上を偽装しやすくするため
  • B:事業部間の売買における価格設定が、各事業部の業績評価や全社的なリソース配分に直結するから
  • C:全社の従業員を混乱させることで、逆に競争力を高めるため
  • D:法律で、全ての取引価格をゼロにすることが義務付けられているから
  • E:内部振替価格は組織の業績とは全く関係がないから
【第17問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:偽装は不正行為であり経営的理由ではないため不適切。
・B:事業部間で製品やサービスを融通する際の価格(振替価格)が適正でないと、一方の事業部の業績が不当に高く見えたり低く見えたりし、正しい評価と資源配分ができなくなるため正解。
・C:混乱を招く設計は組織にとって有害であるため不適切。
・D:価格をゼロにする義務はなく、適正な価格設定が求められるため不適切。
・E:振替価格は事業部の損益に直接影響するため、業績とは密接に関係しているため不適切。


問18:組織の「コンティンジェンシー理論(状況適応理論)」が示す組織設計の考え方として適切なものはどれか。

  • A:どんな状況でも、必ず「職能別組織」が最も優れているという理論
  • B:組織の有効性は、環境、戦略、技術といった外部要因と、組織構造がいかに適合しているかによって決まるという考え方
  • C:組織図は一度決めたら、将来にわたって決して変更してはならないという理論
  • D:組織図をくじ引きで決めるべきであるという考え方
  • E:規模が大きければ大きいほど、組織は常に自動的に効率化されるという理論
【第18問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:唯一の「最善の組織構造」は存在しないとするのが理論の核心であり不適切。
・B:環境や技術などの「状況(コンティンジェンシー)」に応じて、最適となる組織構造は変わるという柔軟な視点が理論の基本であり正解。
・C:状況変化に応じて構造を変えることを前提とするため不適切。
・D:合理的な設計を否定するものではないため不適切。
・E:規模の拡大は調整コストの増大等の問題を生むため、自動的な効率化は誤りであり不適切。


問19:「リエゾン(連絡調整役)」の設置が、組織の調整において果たす役割として適切なものはどれか。

  • A:他部門との間の情報伝達のハブとなり、部門間の壁(セクショナリズム)を越えた連携を促進すること
  • B:他部門の情報を盗んで、自部門の利益のために使うこと
  • C:全ての部門の会議に出席し、会議を長引かせること
  • D:他部門の仕事に文句を言って、対立を激化させること
  • E:リエゾン自体が、全社の全権限を持つ最高権力者になること
【第19問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:リエゾンは部門間の調整を専任的・あるいは重点的に行うことで、横断的なコミュニケーションを活性化させ、齟齬を防ぐ役割があるため正解。
・B:連携・調整が目的であり、情報搾取は役割ではないため不適切。
・C:調整は効率を高めるものであり、長引かせることが目的ではないため不適切。
・D:対立の激化は調整の失敗であり、役割ではないため不適切。
・E:リエゾンは調整の役割であり、全権限を持つわけではないため不適切。


問20:組織における「非公式組織(Informal Organization)」が、公式な組織の意図に反する動きをする場合(例:生産制限の共謀など)、経営者はどのような対応をとるべきか。

  • A:非公式組織のメンバー全員を即座に解雇する
  • B:公式組織が何を目指しているのかを明確にし、非公式組織の心理的ニーズと公式組織の目標をすり合わせる努力をする
  • C:非公式組織の動きを無視し、完全に放置する
  • D:会社全体を解散する
  • E:すべての部署をなくし、会社を完全な放任状態にする
【第20問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:即座の解雇は労働環境の悪化やスキルの損失を招くため不適切。
・B:非公式組織の存在を認め、そのエネルギーを組織目標の達成に向けて前向きに転換できるよう対話や動機づけを行うのがマネジメントの基本であり正解。
・C:無視・放置は問題の深刻化を招く可能性があるため不適切。
・D:会社全体の解散は極端すぎる判断であり不適切。
・E:組織をなくすのは経営放棄に等しいため不適切。


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