経営情報システム ②応用編_ネットワークと通信11問〜15問

問11:オフィスの天井付近に設置する無線LANアクセスポイントや、IP電話、ネットワークカメラなどの配線において、データ通信用のLANケーブルを通じて同時に電力も供給する技術である「PoE(Power over Ethernet)」を導入する利点として、最も適切なものはどれか。

  • A:機器の設置場所にACコンセント(電源)を別途工事して用意する必要がなくなるため、配線の簡素化と設置コストの削減、およびレイアウト変更の柔軟性が高まる。
  • B:通信速度が従来のLANケーブルの2倍以上に高速化し、外部からの電磁ノイズに対する耐性(遮蔽性)が物理的に強化される。
  • C:無線LANの電波の到達距離が劇的に伸びるため、広大なオフィスであってもアクセスポイントの設置台数を最小限に抑えることができる。
  • D:落雷などの異常電圧(サージ)が発生した際、接続されているPCのハードディスクのデータを自動的にクラウドへ退避させる高度なバックアップ機能が働く。
  • E:ACアダプタが完全に不要になるため、接続された情報機器全体の消費電力を常にゼロ(無電化状態)に保つことができる。
【第11問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切:PoEの最大の導入メリットを述べています。電源工事のコストが不要になり、天井や壁面などのコンセントのない場所へもスマートにネットワーク機器を配置できます。
・B:不適切:PoEは給電の技術であり、通信速度自体を高速化したり、ノイズ耐性を高めたりする性質の技術ではありません。
・C:不適切:PoEは有線LANケーブルを介した給電技術であり、無線電波の出力や到達距離に直接影響を与えるものではありません。
・D:不適切:PoEにはサージプロテクタの役割を持つ機器もありますが、データをクラウドへ自動退避させるようなバックアップ連携ソフトウェア機能はありません。
・E:不適切:機器の動作に必要な電力をLANケーブルから供給しているだけであり、消費電力自体がゼロになるわけではありません。


問12:出張先や外出先などのテレワーク環境において、スマートフォンのデータ通信機能(LTE/4G/5Gなど)を利用し、PCやタブレットを一時的にインターネットに接続する「テザリング」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • A:テザリングを利用する際は、PCとスマートフォンの間を「有線(USB)」で物理的に接続する方式のみが認められており、ワイヤレスでの接続は行えない。
  • B:スマートフォンを中継機とすることでPCからインターネットへ接続できるが、スマートフォンの月間データ通信容量(ギガ数)を消費することはない。
  • C:スマートフォンとPC間の接続方法には、高速なWi-Fi方式、消費電力が少ないBluetooth方式、通信が安定するUSB方式などがあり、状況に応じて選択できる。
  • D:通信キャリアとの特別な契約や端末の設定は一切不要であり、電源の切れているスマートフォンであっても自動的に周囲のPCを検知して通信を中継する。
  • E:テザリング通信は常に周囲の不特定多数のユーザーに開放される仕組みであるため、接続パスワード(暗号化キー)を設定して特定の端末のみに制限することはできない。
【第12問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切:有線(USB)だけでなく、無線(Wi-FiやBluetooth)を用いたテザリングも広く実用化されています。
・B:不適切:テザリング中のPCの通信データは、すべてスマートフォンの回線を通じて処理されるため、スマートフォンのデータ通信容量を消費します。使いすぎによる通信制限に注意が必要です。
・C:適切:テザリングにおける各接続方式(Wi-Fi、Bluetooth、USB)の特徴と選択肢の多様性を正しく述べています。実務・コンサルティングの場でも重要な選択知識です。
・D:不適切:キャリアのプランによってはテザリングオプションの申し込みが必要な場合があります。また当然ですが、スマートフォンの電源が入っており、テザリング機能を有効にする必要があります。
・E:不適切:特にWi-Fiテザリングでは、セキュリティのために強固なパスワード(暗号化鍵)を設定し、自身のPC以外が接続できないように管理するのが鉄則です。


問13:ネットワーク内の機器の運用管理において、ルータ、スイッチ、サーバーなどの内部時計(システム時刻)を、ネットワークを介して標準時を持つサーバーと同期させるためのプロトコルである「NTP(Network Time Protocol)」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • A:端末に対してIPアドレスやサブネットマスクなどのネットワーク設定情報を動的に自動配布するためのプロトコルである。
  • B:メールサーバー間で電子メールを転送・送信するために、アプリケーション層で動作する通信プロトコルである。
  • C:WebブラウザとWebサーバー間で、通信内容を暗号化(SSL/TLS)して安全にホームページを閲覧するためのプロトコルである。
  • D:通信相手が本人であるかを確認する「デジタル証明書」の有効期限を自動的に無限に延長するための時刻改ざんプロトコルである。
  • E:ネットワーク内の機器全体の時刻が正確に同期されることで、システム障害発生時に各機器の「ログ(履歴情報)」のタイムスタンプを時系列で正しく突き合わせて原因究明することが可能になる。
【第13問:正解と解説】

正解:E
【解説】
・A:不適切:これはNTPではなく、IP自動配布を行う「DHCP」の説明です。
・B:不適切:これはNTPではなく、メール送信を行う「SMTP」の説明です。
・C:不適切:これはNTPではなく、安全なWeb通信を行う「HTTPS」の説明です。
・D:不適切:NTPは時刻を正しく「合わせる」プロトコルであり、証明書の期限を改ざん・延長するような不正ツールではありません。
・E:適切:NTP導入の最大の経営管理上の意義を説明しています。ログの時刻がズレていると、サイバー攻撃やシステム障害の原因特定が極めて困難になります。


問14:ネットワーク通信において、PCやルータ、ハブなどの通信機器の製造時に物理的なネットワークカード(NIC)に直接書き込まれる「MACアドレス」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • A:ドメイン名と1対1で対応しており、「google.com」のように人間が覚えやすい文字列で構成されている。
  • B:インターネット上でデータを目的地まで届けるために、プロバイダから動的に割り当てられる可変の「論理住所」である。
  • C:暗号化技術を内包しているため、MACアドレスをルータに登録しておけば、周囲を流れるWi-Fiの電波を完全に暗号化して盗聴を防ぐことができる。
  • D:前半の24ビットが製造メーカーを識別するコード(OUI)で構成され、後半の24ビットが各メーカーが重複しないように割り当てたシリアル番号で構成される、世界に一つだけの48ビットのアドレスである。
  • E:OS(WindowsやMacなど)を新しくアップデートするたびに、すべての通信機器のMACアドレスは完全にランダムな新しい番号へと自動的に書き換わる。
【第14問:正解と解説】

正解:D
【解説】
・A:不適切:これはMACアドレスではなく「ドメイン名」の説明そのものです。
・B:不適切:これはMACアドレスではなく「グローバルIPアドレス」の説明です。
・C:不適切:MACアドレス自体に通信データを暗号化する機能はありません。また、MACアドレス自体は暗号化されずに電波上を流れるため、セキュリティとしては不十分です。
・D:適切:MACアドレスの物理的な構造(48ビット、メーカーコード+シリアル)を正確に表しています。同一ネットワーク(レイヤ2)内でのパケット転送の識別子として使われます。
・E:不適切:MACアドレスはハードウェア(部品)に「固定で焼き付けられた」固有の物理番号(物理アドレス)であるため、OSのアップデートによって本来のハードウェア固有値が恒久的に変わることはありません。


問15:インターネット接続サービスを選ぶ際によく目にする「ベストエフォート型」と「ギャランティ型(帯域保証型)」の通信サービスの違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • A:ベストエフォート型は常に一定の通信速度が完全に保証されているため、企業の基幹システムや金融取引ネットワークに最も適している。
  • B:ギャランティ型は通信速度の最大値を提示するが、他のユーザーの利用状況や回線の混雑具合によって実際の速度が低下するリスクを容認するサービスである。
  • C:ギャランティ型は無線LAN(Wi-Fi)通信においてのみ適用される規格であり、有線の光ファイバー回線(FTTH)で提供されることはない。
  • D:ベストエフォート型は「最大限の努力(努力目標)」として最大通信速度を提示するが、実際の速度は保証しない契約であり、その分ギャランティ型に比べて利用料金が大幅に安価である。
  • E:両者の違いは月額料金の「定額制」か「従量課金制」かという課金ルールの違いだけであり、通信回線の品質や速度制御の仕組み自体に違いはない。
【第15問:正解と解説】

正解:D
【解説】
・A:不適切:速度を完全に保証するのは「ギャランティ型」です。ベストエフォート型は基幹システムなどの高信頼性ネットワークにはリスクがあります。
・B:不適切:他のユーザーの混雑状況で速度が低下するリスクがあるのは「ベストエフォート型」の説明です。
・C:不適切:ギャランティ型(帯域保証型)は、主に信頼性の高い有線の専用線サービスやビジネス用光回線で提供されるインフラサービスです。
・D:適切:ベストエフォート型とギャランティ型の本質的な品質設計とコストの違いを正しく対比しています。中小企業への回線導入時のコストパフォーマンス評価において必須の経営知識です。
・E:不適切:課金方式の名称ではなく、通信事業者(プロバイダ)が「通信帯域(スピード)の品質を保証するか否か」という技術的・契約的な品質保証レベルの違いです。


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