問1:マズローの欲求段階説における「高次欲求」の充足がもたらす組織的帰結として適切なものはどれか。
- A:高次欲求が満たされると低次の生理的欲求が完全に消滅し不要になること
- B:自己実現欲求が満たされると外部報酬への依存が高まり給与交渉が活発化すること
- C:内発的動機付けの強化による創造的パフォーマンスの向上
- D:高次欲求の追求に伴い個人が安定志向になり組織の官僚的硬直化が加速すること
- E:自己実現欲求が充足されるほど金銭等の外発的報酬への依存度が増大すること
【第1問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:低次の生理的欲求は、充足後も潜在的に存在し続けるため不適切。
・B:高次欲求の充足は、外発的報酬への依存度を下げる傾向があるため不適切。
・C:自己実現欲求等の高次欲求への働きかけは、内発的な成長意欲や創造性を活性化させ、組織の革新的パフォーマンスを高めるため正解。
・D:高次欲求が満たされた従業員は自律的・創造的に行動するため、官僚的硬直化とは逆の方向性をもたらすため不適切。
・E:認知評価理論が示すように、内発的動機付けが高まると外発的報酬への依存度は下がるため不適切。
問2:ハーズバーグの二要因理論において、「仕事そのものの内容」が動機付けに与える影響を正しく説明しているものはどれか。
- A:仕事の内容は衛生要因であるため、改善しても満足度は変わらない
- B:仕事の内容が充実していても、給与が低ければモチベーションは決して向上しない
- C:仕事の内容(達成・承認・成長等)は動機付け要因であり、心理的な成長を通じて満足感をもたらす
- D:仕事の内容は不満を解消するための手段に過ぎない
- E:仕事の内容は外発的動機付けにのみ影響を与える
【第2問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:仕事の内容は動機付け要因であるため不適切。
・B:ハーズバーグの理論では、動機付け要因と衛生要因は独立しており、動機付け要因が満たされればモチベーションは向上するため不適切。
・C:仕事そのものの内容、達成感、承認、責任、成長などは動機付け要因であり、これらが充足されることで従業員の心理的成長と満足感が得られるため正解。
・D:不満を解消するのは衛生要因の役割であるため不適切。
・E:仕事そのものの内容は内発的動機付けに強く影響するため不適切。
問3:期待理論において、「期待(Expectancy)」と「手段性(Instrumentality)」の概念を混同させないために、管理職が留意すべきことは何か。
- A:期待は「能力と努力」、手段性は「成果と報酬」の結びつきとして明確に区別し、それぞれを改善すること
- B:期待も手段性も報酬の額で決まるため、報酬を上げれば両方とも同時に解決できる
- C:期待は組織のルール、手段性は上司の感情で決まるため、区別する必要はない
- D:期待は給与、手段性は昇進に固定して管理すること
- E:期待を高めるために手段性を下げることが重要である
【第3問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:期待は「努力すれば成果が出る」という確信、手段性は「成果が出れば報酬が出る」という確信であり、それぞれを個別に管理・改善することがモチベーション管理の要諦であるため正解。
・B:報酬額のみで解決しようとするのは短絡的で不適切。
・C:これらはモチベーションを左右する別の変数であり、明確に区別して管理する必要があるため不適切。
・D:期待や手段性は個人の心理状態であり、一律な固定管理は不適切。
・E:期待と手段性は両方を高めるべきであり、トレードオフ関係ではないため不適切。
問4:マクレランドの達成動機理論において、「権力欲求」が高いリーダーが留意すべき組織的リスクは何か。
- A:自ら仕事を抱え込み、チームメンバーへの権限委譲が停滞するリスク
- B:メンバーとの親密な関係を重視しすぎて、厳格な評価ができなくなるリスク
- C:組織のルールを無視し、個人的な感情でリーダーシップを発揮することでメンバーの心理的安全性を脅かすリスク
- D:達成目標を過度に高く設定しすぎて、チームが疲弊するリスク
- E:外部環境への関心を失い、組織が孤立するリスク
【第4問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:達成欲求が高い人の傾向(達成欲求が高い人は逆に自分でやりたがる)に近いため不適切。
・B:親和欲求が高いリーダーのリスクであるため不適切。
・C:権力欲求が強いリーダーは他者への影響を好むが、それが「個人的な権力欲求」に偏ると、組織の規範を軽視し、自己満足的な支配に陥ってメンバーを抑圧するリスクがあるため正解。
・D:達成欲求が高いリーダーのリスクであるため不適切。
・E:組織的リスクとして必ずしも権力欲求に特有とは言えず不適切。
問5:アダムスの公平理論において、「比較対象」を自ら変える(例:もっと優れた人ではなく、自分より成果の低い人と比較するようになる)行動をとる背景にある心理はどれか。
- A:自分より優れた人の存在に刺激を受けて、さらに努力を増強したいという意欲
- B:現実的な能力の差を認め、謙虚な姿勢に転換したいという願望
- C:認知的不協和を解消し、自分が不公平な扱いを受けているという心理的苦痛から逃れたいという防衛本能
- D:報酬制度そのものを改善するための建設的な提案を行いたいという意欲
- E:今の職場環境が自分にとって理想的であると確認するための自己肯定
【第5問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:公平理論では不公平を感じた時に「努力を増強する」選択肢もあるが、比較対象を変える行動はより不快感を解消するための心理的防衛に近いため不適切。
・B:謙虚さへの転換というよりも、不公平感からの回避であるため不適切。
・C:人は自分の置かれた状況に不公平感(認知的不協和)を感じると、比較対象を変える等の認知的な歪みを生じさせることで、心理的な不快感を取り除こうとするため正解。
・D:比較対象を変える行動は個人の心理的調整であり、制度改善に向けた行動ではないため不適切。
・E:現在の環境に不公平を感じている状態であるため不適切。

コメント