企業経営理論⑤応用編_組織構造6問〜10問

問6:組織構造における「権限委譲(Delegation)」が成功するための前提条件として、最も適切なものはどれか。

  • A:トップマネジメントが現場の細かい業務に毎日直接介入すること
  • B:権限を与えられる側(部下)に、責任を持って遂行できる能力と、適切な評価制度が整っていること
  • C:全ての従業員が同じ職能(スキル)を持つこと
  • D:権限委譲を行わず、ルールを極限まで増やして縛ること
  • E:会社が赤字であることのみを条件とすること
【第6問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:介入は委譲と矛盾するため不適切。
・B:権限委譲は単なる作業の押し付けではなく、責任の移転であるため、遂行能力と結果に対する公平な評価・フィードバックが不可欠であり正解。
・C:専門性が異なる多様な人材がいるからこそ権限委譲が重要であり、一律のスキルは不要であるため不適切。
・D:ルールでの縛りは委譲を阻害するため不適切。
・E:業績の良し悪しは委譲の直接の条件ではなく不適切。


問7:組織の「調整メカニズム」の一つである「直接の監督(Direct Supervision)」が適しているのはどのような状況か。

  • A:極めて高度な専門知識を持つ技術者が、個々で研究開発を行う状況
  • B:未熟練の作業員が単純な作業を大量に行う状況
  • C:環境変化が激しく、誰が何をすべきか毎日変わるような状況
  • D:部門が多国籍にわたり、時差が12時間以上ある状況
  • E:従業員がテレワークで、物理的に離れている状況
【第7問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:相互調整や専門知識の標準化が適しているため不適切。
・B:作業手順や判断基準が未熟練な場合、上司が逐次指示を出して管理する「直接の監督」が最も確実で効率的であり正解。
・C:変化の激しい状況では直接監督よりも現場の判断(分権化)や相互調整が必要なため不適切。
・D:物理的・時間的乖離がある状況では、直接の監督は困難であるため不適切。
・E:物理的距離がある場合、直接の監督は難しいため不適切。


問8:組織の「階層(Hierarchy)」を意図的に減らす(フラット化する)際、発生しやすい課題はどれか。

  • A:階層が減ることで、給与計算が物理的に不可能になること
  • B:管理職が担当する部下の数が急増し、管理限界(スパン・オブ・コントロール)を超えてしまうこと
  • C:会社全体の利益が自動的に減ってしまうこと
  • D:社長が一人で全ての業務をこなさなければならなくなること
  • E:部門の数が自動的に増え続けること
【第8問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:給与計算はシステムで行うため階層とは無関係であり不適切。
・B:階層を減らして管理職を減らすと、一人の管理職が抱える部下の数が増えるため、一人一人への指導やケアが行き届かなくなるリスクがあるため正解。
・C:フラット化の目的は効率向上による利益確保であり、自動的に減るわけではないため不適切。
・D:フラット化は現場の自律を促すものであり、社長が全て行うわけではないため不適切。
・E:階層と部門数は直接的に比例・反比例する関係ではないため不適切。


問9:「プロジェクト組織」を恒久的な組織内に併存させる(マトリックス組織に近い運用をする)際に注意すべき点はどれか。

  • A:プロジェクトの予算を全額カットすること
  • B:プロジェクトメンバーの帰属先を曖昧にせず、機能部門との役割分担を明確にすること
  • C:プロジェクトの期間を永久に設定すること
  • D:プロジェクトメンバーには日常業務を一切させないこと
  • E:プロジェクト組織の責任者をトップのみにすること
【第9問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:予算は必要不可欠なリソースであるため不適切。
・B:マトリックス的運用では、専門部門(機能部門)での所属とプロジェクトでの活動が重なるため、評価や指示系統の混乱を避けるための役割明確化が成功の鍵であり正解。
・C:プロジェクトは期間設定があるのが基本であり、永久設定はプロジェクトの本質と異なるため不適切。
・D:マトリックス的運用の場合は日常業務とプロジェクト業務を兼務することが多いため不適切。
・E:トップのみが責任者だと現場の細やかな管理ができず機能不全になるため不適切。


問10:組織構造における「硬直性(Rigidity)」とは、どのような状態を指すか。

  • A:組織のオフィスが最新鋭の設備で固められていること
  • B:環境変化や顧客ニーズの変化に対して、既存の構造や手続きが足かせとなり、適応できない状態
  • C:従業員が非常に健康で、欠勤が全くない状態
  • D:組織のロゴが非常に頑丈に作られていること
  • E:すべての業務がパソコンで行われている状態
【第10問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:設備とは無関係のため不適切。
・B:硬直性とは、ルールや階層が過剰に発達し、変化を拒む「官僚化」が進んだ結果、外部環境の変化に迅速に対応できなくなった状態を指すため正解。
・C:健康と硬直性は無関係のため不適切。
・D:ロゴの物理的強度とは無関係のため不適切。
・E:IT活用と組織の硬直化は直接的な相関関係がないため不適切。


コメント

タイトルとURLをコピーしました