企業経営理論 ⑩応用編_消費者行動論6問〜10問

問6:消費者行動において「情報のフレーム効果(Framing Effect)」が意思決定に与える影響として適切なものはどれか。

  • A:情報の提示のされ方(ポジティブな枠組みかネガティブな枠組みか)によって、消費者の選択が変化すること
  • B:価格が提示された瞬間、消費者は価格以外の情報をすべて無視すること
  • C:情報は一度提示されると二度と変更できないという効果
  • D:広告代理店が作成した枠組み以外は、消費者に届かないという理論
  • E:選択肢が多いほど、消費者の満足度が必ず高まるという効果
【第6問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:同じ内容であっても「90%成功」と強調されるか「10%失敗」と強調されるかで、消費者のリスク許容度や選択が大きく変わる心理現象を指すため正解です。
・B:価格提示時に他の情報を無視するという現象はフレーム効果の定義ではなく、選択的注意や認知的負荷の影響であり不適切です。
・C:情報は変更できないという効果ではなく、提示の文脈によって解釈が変わる現象であるため不適切です。
・D:広告代理店の枠組みのみが届くという説は情報の到達可能性に関する議論であり、心理学的なフレーム効果の定義とは異なります。
・E:選択肢が多いと選ぶ負担が増す「選択のパラドックス」等の議論であり、フレーム効果の定義とは異なります。


問7:消費者行動における「メンタル・アカウンティング(心の家計簿)」とは、どのような心理的傾向を指すか。

  • A:家計簿を必ず毎日つける習慣のこと
  • B:お金の出どころや使途によって、消費者が心の中で勝手に予算の枠(心理的口座)を設定し、その枠内であれば無駄遣いをしてしまう傾向
  • C:銀行の口座管理を厳密に行うこと
  • D:クレジットカードの支払いのみを管理すること
  • E:すべての買い物を一つの財布で管理すること
【第7問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:家計簿をつける習慣そのものを指すのではなく、心理的な会計処理の偏りを指すため不適切です。
・B:メンタル・アカウンティング(セイラーが提唱)は、お金の性質(ボーナス、給与、拾ったお金など)によって、消費者がお金の価値を主観的に歪めてしまう心理的な会計行動を指すため正解です。
・C:銀行口座の厳密な管理は合理的な行動であり、心理的に会計を分けるバイアスであるメンタル・アカウンティングとは異なります。
・D:クレジットカード利用の管理は支払手段の管理であり、心の家計簿という心理メカニズムの定義とは異なります。
・E:一つの財布で管理することは、心理的口座を分けない行動であり、この概念の逆の行動を指すため不適切です。


問8:消費者行動において「アンカリング効果」を利用した価格訴求として最も適切なものはどれか。

  • A:競合他社より必ず1円安く設定すること
  • B:最初に提示された高い価格(基準点)が後の価格判断のアンカーとなり、それより少しでも安ければお得だと感じさせること
  • C:価格を誰にも教えないこと
  • D:全ての製品を同じ価格にすること
  • E:広告費を価格に含めないこと
【第8問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:競合より1円安くするのは価格競争戦略であり、アンカリング(基準点による判断の歪み)の直接的な定義とは異なります。
・B:消費者は最初に提示された数値に判断を強く引きずられる性質があります。「元値」が高いほど、割引後の価格がお得に見える心理作用を指すため正解です。
・C:価格を隠す行為はアンカリング効果を発揮する機会そのものをなくすため不適切です。
・D:全ての価格を同一にすると基準点としてのアンカーが機能しなくなるため不適切です。
・E:広告費の原価配分に関する問題であり、価格提示による心理バイアスの議論とは異なります。


問9:消費者行動論における「擬人的投影(Anthropomorphism)」が消費に与える影響として適切なものはどれか。

  • A:製品に人間のような性格や特徴を見出すことで、ブランドへの愛着や親近感を高めること
  • B:製品を人間と見なすと、故障したときに怒りやすくなること
  • C:製品が人間ではないと分かると、購入意欲が減退すること
  • D:広告には必ず人間を出演させなければならないというルール
  • E:店舗には必ず店員を配置しなければならないということ
【第9問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:キャラクターやブランドの個性を人間のように捉えることで、機能的価値を超えた感情的なつながり(絆)が生まれ、ブランド・ロイヤリティが高まる現象を指すため正解です。
・B:怒りやすくなることは擬人化の副次的結果となる可能性もありますが、マーケティングにおけるポジティブな影響の定義としては不完全です。
・C:人間ではないと分かっても親近感や愛着は維持されることが多く、購入意欲が減退するという説明は一般的ではありません。
・D:広告表現のルールや制約を指すものではありません。
・E:店舗運営上の配置ルールの問題であり、消費者心理の擬人化という概念とは異なります。


問10:消費者行動において「社会的証明(Social Proof)」が購買意思決定を促進する仕組みとして適切なものはどれか。

  • A:広告代理店の意見を信じること
  • B:「みんなが選んでいる」「評価が高い」という他者の行動や意見を参考にすることで、自分の選択が正しいという確信を得る心理状態
  • C:競合他社の製品をすべて排除すること
  • D:店舗の規模が大きいこと
  • E:製品が重いこと
【第10問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:広告代理店の意見はマーケティング側からの発信であり、社会的証明(他者の行動・評価)の定義とは異なります。
・B:特に不確実性が高い状況下において、消費者は他者の行動を真似ることで、意思決定の失敗リスクを回避しようとする心理的な仕組みを指すため正解です。
・C:競合排除は競争戦略であり、社会的証明という心理バイアスの定義とは異なります。
・D:店舗規模は信頼性の指標にはなり得ますが、他者の行動を参考にするという社会的証明の定義そのものではありません。
・E:製品の重量は物理特性であり、社会的心理現象とは無関係です。


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