企業経営理論 ⑩応用編_消費者行動論11問〜15問

問11:消費者行動論において、製品に対する「知覚リスク(Perceived Risk)」が高い場合に消費者がとる回避行動として最も適切なものはどれか。

  • A:とにかく一番安い価格の製品を選ぶ
  • B:ブランド認知度が高い製品を選ぶ、情報収集を増やす、試用を行う、返金保証を確認するなどのリスク低減行動をとる
  • C:何も購入せず、購買を断念する
  • D:店員が勧めるままに製品を購入する
  • E:競合他社の製品をすべて買い占める
【第11問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:単に価格が安いものを選ぶことが必ずしも知覚リスク(購入後の失敗不安)の低減に繋がるわけではなく、価格とリスクは別問題であるため不適切です。
・B:消費者は購入後の失敗を避けるため、信頼できるブランドの選択や情報収集、トライアルの機会確保を通じて「不安(リスク)」を管理しようとするため正解です。
・C:購買を断念することはリスク回避の一種ではありますが、マーケティングにおける「購買行動のプロセス」としての適切な対処法としては不十分であるため不適切です。
・D:店員の勧めに従うことはリスクの外部委託ですが、自分自身で納得してリスク低減を図る行動としては不十分であり不適切です。
・E:競合他社の製品を買い占めることは非現実的であり、リスク管理行動の定義とは異なります。


問12:消費者行動論の「精緻化見込みモデル(ELM)」において、消費者がメッセージの内容を論理的・深く検討するルートを何と呼ぶか。

  • A:周辺ルート
  • B:中心ルート
  • C:情動ルート
  • D:直感ルート
  • E:習慣ルート
【第12問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:周辺ルートは、送り手の魅力、広告の雰囲気、音楽などの「中心的な論理ではない」周辺の手がかりに基づいて評価する経路であり、設問の「論理的・深く検討する」説明とは逆であるため不適切です。
・B:中心ルートは、消費者が高い関心を持って製品の機能やメリットを深く分析し、論理的な情報を処理する経路であるため正解です。
・C:情動ルートは説得モデルにおける一般的な分類として存在しますが、ELM(精緻化見込みモデル)の正式な経路名称ではないため不適切です。
・D:直感ルートは意思決定スタイルに関する用語であり、ELMのモデルにおける経路名称ではないため不適切です。
・E:習慣ルートは購買行動の分類には存在しますが、ELMの説得モデルにおける経路分類としては不適切です。


問13:製品の購入において「所有効果(Endowment Effect)」が心理的に与える影響として適切なものはどれか。

  • A:一度所有したものを手放す際、それを所有していないときよりも高く評価してしまう心理傾向
  • B:所有すればするほど、その製品の価値が下がると感じる心理傾向
  • C:他人の所有物を自分のものだと思い込む心理傾向
  • D:製品を所有することに全く興味がないという心理傾向
  • E:所有している製品を無料ならすぐに手放そうとする心理傾向
【第13問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:所有効果(セイラーが提唱)は、自分が持っているものに対して主観的な価値を上乗せしてしまうバイアスです。これが高額な下取り価格の期待や、手放しにくさに繋がるため正解です。
・B:所有期間が長くなると価値が下がる(減価)と感じるのは経済学的な減価償却の概念であり、所有効果という心理バイアスの定義とは異なります。
・C:他人の所有物を自分のものだと思い込むのは所有効果の定義ではなく、別の心理的錯誤であるため不適切です。
・D:所有することへの無関心は所有効果の逆であり、本概念の説明とは異なります。
・E:所有している製品をすぐに手放すのは所有効果の作用とは逆の行動であり、本心理傾向の説明とは不一致であるため不適切です。


問14:消費者行動における「購買の波及効果(ドミノ効果)」を最大化するためのマーケティング施策として適切なものはどれか。

  • A:広告予算をテレビに集中させる
  • B:初期の熱心な顧客(アーリーアダプター)による口コミを促進し、その連鎖を広げていくコミュニティ施策
  • C:店舗の清掃を徹底する
  • D:価格を毎日変動させる
  • E:店員の数を増やす
【第14問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:テレビ広告はマスリーチには有効ですが、特定の顧客から次へと購買が連鎖する「波及効果」を直接的に生むための最適な施策とは言えないため不適切です。
・B:一部の顧客による推奨が次の顧客を呼び込む「社会的感染」を活用することで、マーケティング効率を高める戦略であり、波及効果を最大化するため正解です。
・C:店舗の清掃は顧客満足には寄与しますが、直接的に購買のドミノ連鎖を引き起こすための施策としては不適切です。
・D:価格の頻繁な変動は逆に顧客の不信感を招くリスクがあり、購買の連鎖を促進する施策とは言えないため不適切です。
・E:店員の増員はサービス向上策の一環ですが、口コミ等の連鎖による波及効果を狙う施策としては直接的でないため不適切です。


問15:消費者が自分の意思決定を「他者からどう見られるか」を強く意識し、社会的な文脈で製品を選択する現象を何と呼ぶか。

  • A:公的自己意識に基づく消費
  • B:個人的嗜好のみの消費
  • C:無意識の消費
  • D:経済合理性のみの消費
  • E:独りよがりの消費
【第15問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:公的自己意識(Public Self-Consciousness)が高い消費者は、他者からの評価や社会的規範を重視し、外見やステータスを表現する製品を好む傾向があるため正解です。
・B:個人的嗜好のみに基づく消費は、他者からの評価を重視する文脈とは対極にあるため不適切です。
・C:無意識の消費は、本人の意図や意識が伴わない消費行動であり、他者からの視線を意識するという設問の説明とは異なります。
・D:経済合理性のみの消費は、価格や性能を最優先する行動であり、社会的な見られ方を意識する行動とは異なります。
・E:独りよがりの消費は、自分の好みのみに固執する状態を指し、社会的評価を意識する文脈とは一致しないため不適切です。


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