難しいですよね、この科目。「2次試験にも出るからちゃんと勉強しなきゃいけない」——それは分かっているのですが、多くの受験生が苦手意識を持つ科目ではないでしょうか。
- 「キャッシュフローって、どっちに足し引きするんだっけ?」
- 「減価償却費って費用なのに、なんで足し戻すの?」
- 「NPV? IRR? 投資評価って何を比較しているの?」
——と、何度も混乱してしまいます。
財務・会計は、公式を暗記するだけではなかなか点数が伸びません。大切なのは、次の3つを意識しながら学習することです。
- なぜその計算をするのか
- その数字は何を意味しているのか
- 経営者はその数字を見て何を判断するのか
例えば——
- 財務諸表 →「会社の健康診断書」
- 経営分析 →「健康診断の結果を分析する作業」
- CVP分析 →「どれだけ売れば利益が出るかを考える道具」
- 投資評価 →「その投資は本当に儲かるのかを判断する方法」
- 企業価値評価 →「会社そのものの値段を計算する方法」
このように「計算」ではなく「経営判断の道具」として理解すると、公式の意味が見えやすくなります。焦らず、一歩ずつ積み上げていきましょう。
財務・会計:過去10年間の出題カテゴリー分類
過去10年間の傾向を、受験生が学習しやすいよう大きく4つのセクションに整理しました。
① 財務諸表・経営分析(約30%)
毎年安定して出題される重要分野です。まずはここを確実に得点源にしましょう。
財務諸表の基礎
- 貸借対照表(B/S)
- 損益計算書(P/L)
- キャッシュフロー計算書(C/F)
経営分析
- 収益性分析
- 安全性分析
- 効率性分析
- 各種財務指標の計算と解釈
会計基準
- 減価償却
- 引当金
- 税効果会計
- リース会計 など
※キャッシュフロー計算書は、簿記で損益計算書に慣れていた分、最初は逆に戸惑いました。利益から出発して、減価償却費を足し戻したり、売上債権の増加を差し引いたり——「利益とは反対方向に計算していく」感覚に、なかなか慣れませんでした。私は「これは利益ではなく”実際のお金の増減”を追い直す作業だ」と捉え直してから、ようやく足し引きの向きが腑に落ちました。
数字を計算するだけでなく、「良い会社なのか」「経営状態はどうか」を判断できるレベルまで理解することが重要です。
② 管理会計・意思決定会計(約35%)
財務・会計の中でも配点が高く、多くの受験生が苦戦する分野です。
原価計算
- 個別原価計算
- 総合原価計算
- 全部原価計算
- 直接原価計算
CVP分析
- 損益分岐点売上高
- 限界利益
- 安全余裕率
意思決定会計
- 差額原価収益分析
- 内製か外注か
- 追加受注の判断
- 設備更新の意思決定
「どちらを選べば企業利益が最大になるか」を考える問題が頻出です。
③ ファイナンス理論(約25%)
近年重要度が高まっている分野です。2次試験との関連も強く、確実に押さえたいテーマです。
資本コストと資金調達
- CAPM
- WACC
- レバレッジ効果
投資評価
- NPV(正味現在価値)
- IRR(内部収益率)
- 回収期間法
企業価値評価
- DCF法
- フリーキャッシュフロー
- 株式価値評価
※ファイナンス理論、特に投資評価や企業価値評価は苦戦しました。簿記で学んだ会計の知識が、ここではあまり通用しなかったからです。会計は「過去に起きたことを記録する」考え方ですが、ファイナンスは「将来のお金を今の価値に割り引いて考える」——時間の向きが逆なんです。この発想の切り替えができるまで、何を計算しているのか掴めませんでした。
さらに私を苦しめたのが、用語がアルファベットの略語で出てくること。NPV、IRR、WACC、DCF……と並ぶと、途端に頭が拒否反応を起こしました。ここは情報システムの略語と同じで、「何の略か+何をするものか」をセットにして、一つずつ日本語の意味に置き換えて覚えるようにしました。
最初は難しく感じますが、「将来のお金を現在価値に直して比較する」という考え方を理解すると、一気に整理しやすくなります。
④ 計算問題・総合問題(約10%)
複数分野を組み合わせた応用問題です。
- 財務分析+投資評価
- CVP分析+意思決定
- 企業価値評価+資本コスト
近年は、単純な公式暗記では解けない問題も増加しています。問題演習を通じて、計算手順を身体で覚えることが重要です。
今年の合格、応援しています!