「経営法務」と聞くと、「法律なんて難しそう……」「条文ばかりで覚えられない……」「知的財産権の違いがよく分からない……」そんなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。実際、本試験でも会社法や知的財産権など、普段あまり馴染みのない法律が出題されるため、苦手意識を持つ受験生は少なくありません。
しかし、経営法務は財務・会計のように複雑な計算が必要な科目ではありません。大切なのは、次のことを理解しながら、何度も繰り返し学習することです。
- なぜそのルールがあるのか
- 誰を守るための法律なのか
- 企業活動のどんな場面で使われるのか
例えば——
- 特許権 →「技術を守るためのルール」
- 商標権 →「ブランドを守るためのルール」
- 会社法 →「会社を適切に運営するためのルール」
- 独占禁止法 →「公正な競争を守るためのルール」
- 民法 →「取引や契約のルール」
このように考えると、それぞれの法律が何のために存在しているのかが見えやすくなります。
また、経営法務は暗記要素の多い科目です。「1回勉強したから覚えた」ではなく、「何度も繰り返し見て覚える」という学習が非常に効果的です。私自身も最初から完璧に覚えられたわけではありません。知的財産権の保護期間や会社法の機関設計などは、問題演習を何度も繰り返すことで少しずつ定着していきました。
経営法務は「覚えられない科目」ではなく、「何度も見て覚える科目」です。焦らず繰り返し学習しながら、一緒に合格を目指して頑張りましょう。
経営法務:過去10年間の出題カテゴリー分類
過去10年間の出題傾向を、受験生が学習しやすいよう大きく6つのセクションに整理しました。
① 知的財産権(約25%)
毎年安定して出題される最重要分野です。
- 特許権
- 実用新案権
- 意匠権
- 商標権
- 著作権
- 不正競争防止法
制度の違いや保護対象を整理して理解することが重要です。
※知的財産権で厄介なのが、保護期間(年数)の暗記です。私も最終的には丸暗記しましたが、今思えば、少し整理してから覚えればもっと楽だったなと感じています。ポイントは、「創作を守る権利(特許・意匠など)は保護期間に終わりがあるが、信用を守る権利(商標)は更新すれば半永久的」という違いです。「なぜその期間なのか」の理由とセットにすると、少し覚えやすくなります。とはいえ、最終的な年数そのものは反復で覚えるしかない部分もあるので、そこは割り切って繰り返しました。
② 会社法(約25%)
経営法務の中心分野です。
- 株式会社の機関設計
- 株主総会
- 取締役会
- 株式
- 新株発行
- 組織再編
近年は細かな制度知識だけでなく、制度趣旨を問う問題も出題されています。
※会社法は、正直、丸暗記が中心になる分野です。ただ、その中でも「理由」とセットにすると覚えやすくなる論点があります。例えば、監査役の解任は、取締役の解任よりも厳しい要件が求められます。私はこれを丸暗記するのではなく、「監査役は経営を監視して株主の利益を守る立場だから、簡単に解任できないよう特別に保護されているんだ」と理由で理解しました。こうやって「なぜこのルールなのか」を一つ押さえると、似た論点が出てきたときにも応用が利きます。細かい数字や要件はどうしても暗記が必要ですが、まず”制度の意図”を掴むと、暗記の負担がぐっと軽くなります。
③ 企業間競争関連法(約15%)
企業活動と市場競争に関する法律です。
- 独占禁止法
- 下請法
- 景品表示法
実務に近い事例形式で出題されることも多く、条文暗記だけでは対応しにくい分野です。
④ 民法(約15%)
契約や取引の基本ルールを学ぶ分野です。
- 契約の成立
- 代理
- 時効
- 債権
- 債務不履行
- 保証
企業活動の土台となる重要分野であり、近年は出題頻度も安定しています。
⑤ 消費者取引関連法(約10%)
消費者保護を目的とした法律です。
- 消費者契約法
- 特定商取引法
- 製造物責任法(PL法)
基本事項を整理すれば得点しやすい分野です。
⑥ 労働関係法・手続法(約10%)
出題数は多くありませんが、近年は断続的に出題されています。
- 労働契約法
- 労働基準法
- 民事訴訟手続
- 国際取引関連法務
細かな知識を深追いするよりも、基本事項を確実に押さえることが重要です。
特に知的財産権と会社法は毎年のように出題されるため、まずはこの2分野を確実に得点源にしましょう。そのうえで、民法・競争関連法・消費者関連法を積み上げていくことで、安定して60点以上を狙えるようになります。
合格、応援しています!