企業経営理論②応用編_成長戦略_6問〜10問

問6:M&Aにおける「PMI(Post Merger Integration)」の成功に最も不可欠な要素はどれか。

  • A:買収価格を可能な限り低く抑えること
  • B:統合後のシナジー実現に向けた迅速かつ計画的な組織統合と運営の融合
  • C:買収直後に経営陣を全員入れ替えること
  • D:既存事業とは全く異なる新システムを強制的に導入すること
  • E:統合プロセスをすべて非公開で行うこと
【第6問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:価格交渉は重要だが、PMI(統合プロセス)そのものの成功要因ではないため不適切。
・B:PMIの目的は統合効果の早期実現であり、計画的な融合が不可欠であるため正解。
・C:拙速な経営陣の入れ替えは現場の混乱を招き、PMIの失敗要因となり得るため不適切。
・D:急激なシステム変更は現場のオペレーションを阻害し、不適切。
・E:透明性のないプロセスは従業員の不安を増大させ、統合を阻害するため不適切。


問7:多角化の形態として「垂直統合」を選択する際、取引コスト理論(Transaction Cost Economics)に基づくと、どのような場合に統合が有利となるか。

  • A:市場取引に伴う契約や交渉、監視のコストが、社内での管理コストを上回る場合
  • B:市場の供給者が多数存在し、価格競争が激しい場合
  • C:取引対象の製品が汎用品であり、容易に調達できる場合
  • D:自社が市場での独占的地位にある場合
  • E:社内での管理コストが、市場取引コストを上回る場合
【第7問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:取引コスト理論において、市場取引のコストが社内コストを上回る(=外注のリスクが高い)場合に内部化(統合)が正当化されるため正解。
・B:供給者が多数なら市場取引の方が有利であり不適切。
・C:汎用品は市場取引が容易なため統合の必要性は低く不適切。
・D:市場での地位はコスト計算の主眼ではなく不適切。
・E:社内コストの方が高いなら市場取引(アウトソーシング)の方が合理的であり不適切。


問8:アンゾフの成長マトリクスにおいて、既存市場における「市場浸透戦略」が限界を迎えた際に、次に検討すべき戦略として推奨されるものはどれか。

  • A:即座に無関連多角化を行う
  • B:市場の飽和を無視して広告を増やす
  • C:既存の強みを活かした「新市場開拓」または「新製品開発」へのシフト
  • D:他業種への投資
  • E:企業全体の解散
【第8問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:リスクが高すぎるため、通常はステップを踏むべきであり不適切。
・B:飽和市場での広告増は費用対効果が悪く不適切。
・C:段階的なリスク管理として、既存資源を活かせる戦略へのシフトが最も合理的であり正解。
・D:専門外への投資はリスクが大きく、優先すべき戦略ではないため不適切。
・E:極端な対応であり不適切。


問9:企業がM&Aを活用する際の「買収プレミアム」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • A:プレミアムは常に低い方が買収側にとって有利であるため、常にゼロを目指すべきである
  • B:プレミアムは被買収企業の現在の株価に上乗せする金額であり、シナジー効果の期待値が反映されることが多い
  • C:プレミアムは支払う必要がなく、市場価格だけで買収できる
  • D:プレミアムが高いほど買収は成功する
  • E:プレミアムは政府から補填されるものである
【第9問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:安ければ良いわけではなく、戦略的価値に見合う価格設定が必要であり不適切。
・B:買収後のシナジーや将来性を織り込んで上乗せされる金額の定義として正解。
・C:市場価格だけでは通常買収は成立せず不適切。
・D:過大なプレミアムは買収側の投資回収を困難にし、必ずしも成功に結びつかず不適切。
・E:政府が補填する性質のものではなく不適切。


問10:多角化の失敗要因として挙げられる「経営の複雑化(管理のオーバーヘッド)」とは何を指すか。

  • A:事業数が増えることで、トップマネジメントの意思決定や管理業務の負荷が過大になること
  • B:製品の種類が多すぎて売上が減ること
  • C:ブランドの名前が覚えにくくなること
  • D:従業員の名前が覚えられないこと
  • E:競合他社に追い抜かれること
【第10問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:多角化により組織が巨大・複雑化し、効率的な意思決定ができなくなる現象を指し正解。
・B〜E:複雑化による弊害の説明としては不適切。


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