企業経営理論③応用編_事業ポートフォリオ_6問〜10問

問6:PPMにおいて「負け犬」事業を長期的に保持することの隠れたコスト(機会費用)として、最も適切なものはどれか。

  • A:その事業に投じている経営資源(資金・人材)を、成長機会のある他事業に回せば得られたであろう利益
  • B:競合他社にその事業を売却することで得られる売却益
  • C:その事業を維持するために支払う広告宣伝費そのもの
  • D:その事業の製品名が古くなることによるブランド毀損
  • E:従業員の給与支払いの遅延
【第6問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:機会費用とは、ある選択肢を選んだことで失う他の選択肢の利益であり、資源が固定されることによる損失を指し正解。
・B:売却益は得られるかもしれない利益であり、維持することのコストそのものではないため不適切。
・C:広告費は直接的な会計コストであり、機会費用という概念とは区別されるため不適切。
・D:ブランド毀損は間接的な影響であり、経営資源の配分という文脈では不適切。
・E:給与支払いは義務であり、機会費用には当たらないため不適切。


問7:PPMにおける「プロダクト・ライフサイクル(PLC)」との関連性において、「金のなる木」が位置するのはどの段階か。

  • A:導入期
  • B:成長期
  • C:成熟期
  • D:衰退期
  • E:復活期
【第7問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:導入期は通常「問題児」にあたる。
・B:成長期は「花形」あるいは「問題児」にあたる。
・C:市場成長が鈍化し、かつ高シェアを維持している「金のなる木」は成熟期の典型であり正解。
・D:衰退期は「負け犬」へ移行する段階であり不適切。


問8:PPM分析を用いて「事業間のキャッシュフローのバランス」を最適化する際、全社的に理想とされる状態はどれか。

  • A:すべての事業がキャッシュアウト(資金流出)している状態
  • B:すべての事業がキャッシュイン(資金流入)している状態
  • C:キャッシュの供給源となる事業(金のなる木)と、キャッシュの投入先(花形・問題児)が適切に組み合わさっている状態
  • D:負け犬事業に全資金を集中投下している状態
  • E:外部からの借入金のみで全社を運営している状態
【第8問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A, B:すべての事業が一方的なキャッシュアウトやインになるのは不健全であり不適切。
・C:稼ぐ事業と投資する事業のポートフォリオを組み、全社的な成長と収益を両立させるのがPPMの目的であり正解。
・D:負け犬への集中は非効率であり不適切。
・E:借入のみでの運営は長期的にはリスクが高く、自律的な循環が望ましいため不適切。


問9:PPMにおいて「問題児」を「花形」へ転換させる際、市場成長率が極めて高い市場でシェアを奪うために必要な戦略的アクションはどれか。

  • A:競合他社と同じ価格設定を維持する
  • B:圧倒的な投資を行い、競合に先駆けて認知度向上と販路拡大を図る
  • C:製品の機能向上を一切諦め、価格競争のみに徹する
  • D:広告宣伝を控え、既存顧客のみをターゲットにする
  • E:事業の撤退を検討し始める
【第9問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:競争に勝つためには差別化やシェア獲得のための攻めの姿勢が必要であり不適切。
・B:高成長市場でシェアを確保するには、初期段階での積極的な投資(認知獲得・流通確保)が不可欠であり正解。
・C:機能向上を諦めるのは負け犬への道を歩むことであり不適切。
・D:広告を控えると認知が広がらず、シェア獲得には繋がらないため不適切。
・E:花形への転換を目指す段階では、撤退ではなく積極的な投資が正解の行動であり不適切。


問10:PPM分析における「相対的市場シェア」を算出する際、最大競合のシェアを分母にする意義は何か。

  • A:業界内での自社の相対的な競争力の強弱を明確にするため
  • B:自社の従業員数を最大競合と比較するため
  • C:会計上の利益率を統一するため
  • D:製品の原材料コストを隠すため
  • E:業界の全売上高を計算しやすくするため
【第10問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:シェアが1を超えれば業界トップ(リーダー)であり、1未満であればチャレンジャーというように競争優位を可視化できるため正解。
・B〜E:いずれも競争上の優位性の評価とは直接関係せず不適切。


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