企業経営理論②応用編_成長戦略_21問〜25問

問21:多角化戦略における「範囲の経済」を追求する際、複数の事業を統合することで得られる具体的なメリットとして、最も不適切なものはどれか。

  • A:共有可能な経営資源(ブランド、技術、物流網など)の重複投資を削減し、効率化できる
  • B:単一事業に依存するリスクを低減できる
  • C:各事業が全く独立して運営されるため、管理コストがゼロになる
  • D:共同購買による交渉力強化でコストを削減できる
  • E:一括した販促活動によるマーケティング効率の向上
【第21問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:資源共有は範囲の経済の主目的であり適切。
・B:多角化の目的の一つであり適切。
・C:事業を統合・管理するために新たな調整コストや管理負荷が発生するため「コストがゼロになる」は誤りであり不適切(=正解)。
・D:共同購買は範囲の経済(相乗効果)の具体例であり適切。
・E:マーケティング共有も範囲の経済の代表例であり適切。


問22:M&Aのデューデリジェンス(資産査定)において、財務面に加え「ビジネス・デューデリジェンス」を行う主な目的はどれか。

  • A:買収後の売上高の変動を完全に予測するため
  • B:対象企業の競争優位性、市場環境、将来の成長可能性を詳細に分析するため
  • C:買収価格を可能な限り安くするための交渉材料を集めることだけを目的とする
  • D:従業員の個人的な性格をすべて調査するため
  • E:買収を断念する理由を探すため
【第22問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:将来の予測は困難であり、完全に予測することは目的ではないため不適切。
・B:戦略的な適合性や事業価値を判断するための分析がビジネスDDの核心であり正解。
・C:交渉材料収集は一面だが、DDの主目的は事業価値とリスクの客観的把握であり不適切。
・D:プライバシーに関わる調査はDDの範囲外であり不適切。
・E:判断材料を得るのが目的であり、断念が前提ではないため不適切。


問23:垂直統合における「前方統合」が、自社の製品力に自信がある企業にとって特に有効な理由は何か。

  • A:原材料の調達を他社に依存できるから
  • B:顧客の声(ニーズ)を直接吸い上げ、製品開発に反映しやすくなるから
  • C:競合他社をすべて買収できるから
  • D:広告宣伝費が全くかからなくなるから
  • E:流通業者に支払うマージンが増えるから
【第23問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:前方統合は川下(顧客側)への統合であり調達(川上)の問題ではないため不適切。
・B:顧客接点を自社で持つことで、市場のフィードバックを即座に製品に活かせるため正解。
・C:競合の全買収は通常困難であり、前方統合の直接の理由ではないため不適切。
・D:広告宣伝は前方統合しても必要であり不適切。
・E:マージン増は自社にとってのコスト増であり、メリットではないため不適切。


問24:M&A後のPMIにおいて、「シナジー効果」を実現するプロセスとして最も適切なものはどれか。

  • A:統合当初はすべての事業活動を停止し、再構築を待つ
  • B:短期的・中長期的なシナジー目標を定め、役割分担を明確にして実行する
  • C:統合効果が自然発生するのを待つ
  • D:買収側が一方的に指示を出し、被買収側は従うだけにする
  • E:すべての業務を一律に統合し、差異を許容しない
【第24問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:事業停止は機会損失が大きすぎるため不適切。
・B:目標の具体化と実行計画の策定こそがPMIにおける統合の基本であり正解。
・C:待機はシナジー実現の遅延や逸機を招くため不適切。
・D:一方的な指示は現場の反発を招き、統合成功を阻害するため不適切。
・E:一律の統合が必ずしも効率的とは限らず、柔軟性が必要であり不適切。


問25:多角化の「関連多角化」において、技術的な相乗効果が期待できる例として、最も適切なものはどれか。

  • A:自動車メーカーが、そのエンジン技術を応用して汎用エンジンを開発し、農業機械へ進出する
  • B:飲食店が、全く異なる業種の不動産開発に投資する
  • C:衣料品メーカーが、自社の物流倉庫をすべて売却する
  • D:IT企業が、自社製品とは全く関連のない食品販売を行う
  • E:電機メーカーが、社内の清掃部門をアウトソーシングする
【第25問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:既存のコア技術を新分野に展開する典型的な関連多角化の例であり正解。
・B〜E:いずれも関連性が薄い、または多角化戦略そのものと直接関係のない内容であり不適切。


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