企業経営理論③応用編_事業ポートフォリオ_26問〜30問

問26:PPMにおいて「金のなる木」から得たキャッシュを「負け犬」事業の延命(撤退までの過度な維持)に投じてしまうことが、全社的に最も深刻な悪影響を及ぼすのはなぜか。

  • A:負け犬の製品価格が下がってしまうから
  • B:将来の成長の源泉となる「花形」や「問題児」への投資機会を奪うことになるから
  • C:競合他社がその事業を真似し始めるから
  • D:その事業の広告費が減ってしまうから
  • E:全社の売上構成比が変わらないから
【第26問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:価格の問題ではなく、資源配分のミスマッチが本質的な問題のため不適切。
・B:PPMの目的は限られた資源を最適配分することであり、見込みのない負け犬への投資は将来の成長機会を殺す「機会費用の損失」を招くため正解。
・C:競合が真似ることはPPMの直接的な悪影響とは言えず不適切。
・D:広告費の多寡は戦略的問題ではなく不適切。
・E:売上構成比の問題ではなく、成長性や収益性の損失が問題であり不適切。


問27:PPMの活用において、「市場成長率」の定義が非常に難しい(例:定義によって高とも低とも言える)場合、企業が取るべき現実的な対応はどれか。

  • A:分析を諦める
  • B:業界標準や製品ライフサイクルのステージを考慮し、自社にとって最も戦略的意義のある基準を設定する
  • C:ランダムに成長率を決める
  • D:成長率を無視してシェアのみで判断する
  • E:全社平均の売上高を基準にする
【第27問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:分析の価値は残るため不適切。
・B:PPMは現実の市場構造に合わせて運用するツールであり、客観的な基準を自社で定義づけることが分析の第一歩であるため正解。
・C:ランダムな決定は経営判断の誤りにつながり不適切。
・D:成長率を無視すると市場のダイナミズムを捉えられず不適切。
・E:全社平均は事業ごとの市場環境を反映せず不適切。


問28:PPMを用いて資源配分を最適化する際、各象限の戦略的役割を混同することが最もリスクとなるのはなぜか。

  • A:金のなる木から得た資金を、撤退すべき負け犬に再投資してしまうような、資源の非効率な浪費を招くから
  • B:全事業に均等に資源を配分しないと不公平感が出るから
  • C:売上高が低い事業を無視すると株価が下がるから
  • D:すべての事業で花形を目指さないと競争に負けるから
  • E:会計処理が複雑になりすぎるから
【第28問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:PPMの本質は役割に応じた資源配分にあるため、これを混同することは企業全体の効率を大きく損なう要因となり正解。
・B:均等配分はPPMの差別化された資源配分の主旨に反し不適切。
・C, D, E:これらは本質的な戦略的リスクとは言えず不適切。


問29:多角化企業における事業ポートフォリオの理想的な状態に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • A:単一の事業が全売上の99%を占め、リスクが集中している状態
  • B:成熟した事業がキャッシュを供給し、成長事業がそれを吸収して将来の収益源へと育つ「資金の好循環」ができている状態
  • C:すべての事業が負け犬であり、撤退を待つだけの状態
  • D:利益が出ている事業をすべて売却し、キャッシュのみを保持する状態
  • E:競合他社と全く同じ事業比率で構成されている状態
【第29問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:リスク集中であり理想から程遠く不適切。
・B:PPMを用いた経営の究極的な目的は、企業内の資金循環を最適化し持続的な成長を実現することであり正解。
・C:撤退直前の状態で理想とは言えず不適切。
・D:投資機会を放棄しており不適切。
・E:独自性がなく戦略的価値が不明確で不適切。


問30:PPM分析の結果を組織の意思決定に反映させる際、最も避けるべき「誤用」はどれか。

  • A:現在の事業状況を把握するための材料として使うこと
  • B:PPMの診断結果のみを根拠に、現場の実態を無視して機械的に撤退や投資を強制すること
  • C:定期的に見直しを行い、戦略を修正すること
  • D:SBUごとの特性を議論するためのツールとして活用すること
  • E:資源配分の優先順位を議論する土台にすること
【第30問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A, C, D, E:これらはすべてPPMの有効かつ推奨される活用法。
・B:PPMはあくまで戦略立案の補助ツールであり、定性的な情報や現場のニュアンスを無視して自動決定に使うことは経営上の大きなリスクであり正解。


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